【まとめ】「何年生から?」「どんなことをやるの?」2020年小学校におけるプログラミング教育について、教える側の視点からわかりやすく解説!

生活

はじめに

2020年から小学校でプログラミング教育が必修化!?

2020年より、小学校でプログラミング教育が必修化となることをご存知の方は多いのではないでしょうか。
同時に「親もわからないのに何をやったらよいの?」「プログラミング教室に通わせたほうが良いの?」とどうしたらよいのかわからない保護者も多いのではないでしょうか。

具体的に、授業ではどのような内容を学ぶのか、またどのように評価をされるのかなど、疑問も多いと思います。
今回は、教える側(教師)の立場から、教える側がどのように取り組んでどういう授業をしようとしているのかを解説します。それらを知った上で親としてどのようなことができるのか、どうしたらよいのかを考えてみてはいかがでしょうか。

小学校プログラミング教育の手引(第二版)

保護者同様に、教師もかなり不安を抱いていて、その不安を払拭すべく、文科省がとりまとめて公表しているものが、「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」になります。新学習指導要領や同解説で示している基本的な考え方などをわかりやすく解説しています。

平成30年3月に初版が、平成30年11月に第二版が公表されています。

それでは、ここからは手引きに沿って解説していきます。

なぜ小学校にプログラミング教育を導入するのか

まずは「はじめに~」のところで、なぜ導入するのかについて書かれています。

コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることは、あらゆる活動においてコンピュータ等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業に就くとしても、極めて重要なこととなっています。

あらゆる活動においてとあります。具体例として、職業生活、学校での学習や生涯学習、家庭生活や余暇生活が挙げれています。理科系の子どもだけが学べば良いということではありません。全児童・生徒が対象となっています。

また後述しますが、これはプログラミング言語を学ぶのではなく、プログラミング的思考を学ぶということにも繋がります。何も文科省は日本人全員をプログラマーにしようとしているわけではありませんので、この辺りはご安心ください。

では、「プログラミング的思考」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか?
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」と説明されています。

諸外国においても初等教育の段階から導入している例もあり、明らかに出遅れている日本は、ここで巻き返すべく思い切った政策をとって小学校からの導入という決断に至ったのだと思われます。

小学校プログラミング教育導入の経緯

次に、小学校プログラミング教育導入の経緯について書かれているのですが、ここでは重要となる「三つの柱」について触れていきます。
「三つの柱」とは、すべての教科等の目標及び内容となり、これらを児童の発達段階に応じて、バランスよく育成することが求められています。また、これらを一体的に育成されることが大切とされています。
以下の「三つの柱」に沿って目標が設定されています。

【知識及び技能】身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。
【思考力、判断力、表現力等】発達の段階に即して、「プログラミング的思考」を育成すること。
【学びに向かう力、人間性等】発達の段階に即して、コンピュータの働きを、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養すること。

プログラミング教育のねらい

①「プログラミング的思考」を育むこと
②プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと
③各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること
以上の3つのねらいの実現の前提として、児童がプログラミングに取り組んだり、コンピュータを活用したりすることの楽しさや面白さ、ものごとを成し遂げたという達成感を味わうことが重要です。

小学校プログラミング教育で育む資質・能力

ここでは、資質・能力の「三つの柱」に沿って1つずつ書かれています。

知識及び技能

キーワードは「気づき」です。

情報社会に生きる子供たちが、コンピュータに意図した処理を行うよう指示をする活動を通して、コンピュータはプログラムで動いていること、プログラムは人が作成していること、また、コンピュータには得意なこととなかなかできないこととがあることを、体験を通して気付かせること
また、小・中・高の学校段階では、下記のように示されています。
(小)身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。
(中)社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、簡単なプログラムを作成できるようにすること。
(高)コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決にコンピュータを活用できるようにすること。

思考力、判断力、表現力等

プログラミング教育で育む思考力、判断力、表現力等について、「発達の段階に即して、「プログラミング的思考」を育成すること。」としています。

コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力、すなわち「プログラミング的思考」を育成することは、小学校におけるプログラミング教育の中核とも言えます。

学びに向かう力、人間性等

児童にとって身近な問題の発見・解決に、コンピュータの働きを生かそうとしたり、コンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いていこうとしたりする、主体的に取り組む態度を涵養することを示しています。
また、他者と協働しながらねばり強くやり抜く態度の育成、著作権等の自他の権利を尊重したり、情報セキュリティの確保に留意したりするといった、情報モラルの育成なども重要です。

プログラミング的思考と情報活用能力

情報活用能力を育むためには「プログラミング思考」を育めばよいということではなく、情報モラルや情報手段の基本的な操作技能なども含めた情報活用能力を育成する中に「プログラミング思考」の育成を適切に取り入れていく必要があります。

※小学校段階では、コンピュータに関する専門的な知識等は求められませんが、論理的に考えていく力、コンピュータ等をよりよく活用していこうとする態度等は、その後の学びにつながっていくとされています。

プログラミング教育のねらいの実現に向けて

各学校において、どのような力を育てたいのかを明らかにし、計画的、組織的に取り組むこと。またその実施状況を評価し改善を図り、育てたい力や指導内容の配列などを見直していくことが重要とされています。

プログラミング教育の評価

さて、気になる評価についてですが・・・大きく2つに分けて、書かれています。

①プログラミング教育を各教科等の内容を指導する中で実施する場合

「プログラミング的思考」等を育むとともに、それぞれの教科等の学習をより深いものとすることが重要です。プログラミングを実施した際の評価については、あくまでも、プログラミングを学習活動として実施した教科等において、それぞれの教科等の評価規準により評価するのが基本となります。
基本は、教科でやる場合は、その教科の評価基準に従うとありますね。プログラミングをしたからといって、それだけを取り立てることはしないとあります。あくまでプログラミングは学習する上での一つの手段だということを言いたいのだと思います。そして、プログラミングを通して、その教科をどれだけ理解出来たかということが評価されます。

②教育課程内で各教科等とは別に実施する場合

この場合は、教科等の評価規準により評価したり、評定をしたりすることはないが、その評価を適切に伝えることが望ましいとあります。

後述する分類の「C」の場合になるのですが、つまり極端に言うと直接成績には関係ないということになります。

プログラミングに関する学習活動の分類と指導の考え方

そして3章以降には具体的な指導について書かれていくのですが、ここで押さえておきたいのが分類です。

学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類
【教育課程内】

A:学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの
B:学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの
C:教育課程内で各教科等とは別に実施するもの
D:クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの
【教育課程外】
E:学校を会場とするが、教育課程外のもの
F:学校外でのプログラミングの学習機会

「必修化」と言われている部分で、具体的に示されているのが「A」になります。

「A」「B」は各教科に含まれるということになるので、成績に関わってくるということになり、「C」以下は、直接的には関係はないということになります。

算数:[5年生]B図形(1)正多角形
理科:[6年生]A物質・エネルギー(4)電気の利用
総合的な学習の時間:情報に関する探究的な学習
そして、気になる「A」は、この3つだけになります。

Q&A

以上、「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」に沿って見ていきましたが、ぼんやりとでもイメージできたでしょうか。

いやいや、かえって疑問だらけになったのではないでしょうか。タイトルにも書いた疑問も含めてお答えしていきます。

「何年生から?」

明確には決めっていないようです。分類「A」に例示されている算数が5年生とありますから、少なくとも高学年にははじまります。総合的な学習の時間は特に学年が明示されていませんので、各学校の方針次第ということになりそうです。

「どんなことをやるの?」

第3章以降に分類「A」を5事例、「B」を4事例、「C」を4事例と紹介がありますのでそちらを読めば具体的な授業のイメージが掴めます。また、下記のサイトを見ることもお勧めします。いろいろな授業にプログラミングを取り入れようとしていることがわかります。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル

「プログラミング教室に通わせたほうが良いの?」

教師も児童に対して、一から指導をしてくれると思いますので、大きく心配をする必要はないとは思います。しかし、新しいことを始めるのに苦手意識を持ちやすいお子さんや、あまり家でパソコンや機械ものに触れる機会が少ないお子さんなどは、近くの教室に通わせてもよいと思います。どんな教科でも同じですが、最初の導入でつまずいてしまうと、その後のモチベーションがさがりかねないので、そこは各ご家庭によるのかなと思います。

「親もわからないのに何をやったらよいの?」

小学校プログラミング教育の手引(第二版)」でも再三にわたり出ますが、教師がまずは体験するということが重要であると。保護者もまずは自身が体験して、プログラミングとはどのようなものなのかを知ることだと思います。

まずはプログラミング系のおもちゃからでも十分良いと思います。スマホやタブレットでも様々なアプリが出ていますが、実際に動く方がより体験的でおススメです。

また、たいへん有名ではありますが、スクラッチジュニアも、ビジュアルプログラミング言語です。対象は5歳~7歳となっています。手持ちのタブレットにアプリをダウンロードすれば、すぐに始めることができます!

以下、おすすめのプログラミング本を紹介します。
今年出版されているものも多いですね!

おわりに

今回ざっと見てきましたが、具体的にこのような授業をします!というようなものは明確には決まっていないようです。外国語教育でもそうですが、やはり各学校ごとに方針などを決め、教員間で共通理解しながら進めていくことになるそうです。
文系のパパママさんは、プログラミングと聞くだけで、一歩引いてしまいがちかもしれませんが、この夏休みを利用して、おもちゃやアプリなどをうまく活用し、お子さんと一緒に1から始めてみるのもいいかもしれませんね。
勉強と硬い感覚ではなく、楽しく身につくことができるように指導していくことが求められているのかもしれません。

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